RE6は、速さを競うためのロードバイクではありません。けれど、決して遅いわけでもない。BRIDGESTONE ANCHORが提案するのは、「自由をベースにしたロード」という新しい選択肢。
舗装路を気持ちよく走りながら、砂利道に出くわしても焦らない。積載しても不安にならない。軽さを最優先するモデルではない。その代わり、長く付き合える安心感がある。
この記事では、RE6という“オールロード”の正体を整理していきます。
BRIDGESTONE ANCHOR RE6 CUES 9s(ブリヂストン アンカー|RE6 キューズ)

【メーカー希望価格】¥169,000(税込)
【カラー(全4色)】FLOW BLUE、GEOTITANIUM、MIDNIGHT BLACK、GLOW RED
【サイズ(適応身長目安)】390(145-158cm)、430(154-167cm)、470(163-176cm)、510(173-185cm)
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RE6とは|ロードバイクの新定義 "オールロード"
「速いロード」に自由を足すのではなく、「自由なロード」が速く走れるモデル

RE6は、近年広がってきた“オールロード”というジャンルの中でも、作り方のベクトルが少し独特です。
よくあるのは、レース寄りのロードバイクをベースに快適性や走破性を足していく考え方。
けれどRE6はその逆で、まず「寄り道できるロード」「競わないロード」という自由な在り方が先にあって、その上にBRIDGESTONEの“ちゃんと速く走れる技術”が載っているイメージ。
つまり、速さを目的にしたバイクにオールマイティさを足したのではなく、自由度の高いロードバイクが、結果としてしっかり速い。ここがRE6の核です。
グラベルロードの“手前”にある、現実的なオールロード

グラベルロードは「MTBとロードの間」という立ち位置で、未舗装を楽しむ思想が強いカテゴリです。
もちろん魅力は大きい一方で、日本の乗り方・環境だと、そこまで積極的にグラベルを探しに行く人はまだ少数派。少し行き過ぎた(ニッチになりやすい)ジャンルになっているのも事実だと思います。

RE6が立っているのは、その“間”を埋める場所。グラベルを楽しむためのロードというより、「走っていたら砂利道に出くわしても、ちゃんと何とかなるロードバイク」。
あくまで主戦場は舗装路。でも道を選びすぎない。これが“オールロード”の新しい実用性です。
競技性がない=物足りない、ではない

個人的にオールロードを面白いと思うのは、ロードバイクの中で“唯一、競技性が前提ではない”ジャンルに感じるからです。

速さを証明するためでも、フォームを鍛えるためでもなく、「今日はどこへ行こうか」「寄り道して帰ろうか」という発想が似合う。スピードではなく、自由度が主役。

そしてRE6は、その自由さを保ったまま、走りがダレない。踏めば進むし、巡航も作れる。ここにANCHORらしい走行性能が効いてきます。
ANCHORのブランドイメージと“ズレ”るからこそ、誤解も生まれる

BRIDGESTONE ANCHORといえば、トラックやロードのイメージが色濃いブランドです。MTBやグラベルの文脈はほとんど語られてこなかった。
そのため古参ユーザーの目線では、RE6が「重い初心者向けロードが出てきた」という風に見えてしまうことがあります。けれど、RE6が提案しているのは単なる入門モデルではなく、“ロードバイクの価値基準そのもののアップデート”。
競技で磨かれた技術を、競わない世界へ開放する。ロードバイクを「速さの道具」から「走る時間を楽しむ道具」へ広げていく。RE6はその入口として、ロードバイクの新しい定義を提示しているモデルだと思います。
現代版スポルティフというライン
レースでもサイクリングでもなく、もっと“ツーリング”に寄り添う感覚。昔のスポルティフを彷彿させるラインが、RE6にはあります。
ただ楽なだけではなく、ただ速いだけでもない。寄り道できる自由さと、走りの芯の強さを両立させる。「競わないけど、遅くない」。この一言に、RE6という新定義が詰まっています。
フレーム設計思想|快適性 × 走行性能 × 拡張性
エントリーだからこそ、削らなかった3要素

RE6はエントリーユーザーが実際に重視する3要素「快適性・走行性能・拡張性」を、可能な限り削らずに織り込むというテーマで開発されたモデルです。
多くのエントリーロードは、価格を優先するあまり“何かを諦める設計”になりがちですが、RE6は違います。単なる入門用ではなく、「長く乗れる最初の1台」を前提に設計されています。
快適性|アップライトで“安心”から始められる

RE6は、上位モデルRE8のジオメトリーをベースに開発されています。ただし、そのまま縮小したわけではありません。

ヘッドチューブは長めに設計され、自然とアップライトなポジションが取りやすいバランスに調整。初めてのドロップハンドルでも不安が少なく、視界も広く確保できます。
※ANCHORはメーカー出荷時点でコラムが長めの状態で設定されています。ポジションを下げたい場合は、購入時にご要望をいただければ適正な長さへカットしてお渡し可能です。

また、ホイールベースはRE8よりわずかに長く、重心も低めに設計。直進安定性を高めることで、荒れた舗装路やちょっとした悪路でもハンドリングが神経質になりにくい設計です。

27.2mm正円シートポストとドロップドシートステー規格の採用もポイント。過度にレーシーな剛性ではなく、振動吸収性と反応性のバランスを取ったフレーム設計は、「楽=遅い」ではない快適性を実現しています。
走行性能|“楽なだけ”で終わらせないANCHORらしさ

RE6はオールロードという立ち位置ですが、走りの芯はANCHORそのもの。フロントフォークおよびダウンチューブには、上位モデルのRE8と同様のカームテール形状を採用。
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アルミフレームながら空力面への配慮がなされ、踏み込んだ時の伸びや巡航性能をしっかり支えます。
単に安定志向に振ったモデルではなく、「踏めば応える」設計思想が根底にあります。

ケーブル類はフレーム内装式を採用。見た目のスマートさだけでなく、空力面やトラブルリスクの低減にも配慮されています。
RE8の思想を継承しながら、より安心方向にチューニングされたのがRE6の走りです。
RE8譲りのフルカーボンフォーク

フロントフォークには、上位モデルRE8と同素材のフルカーボンフォークを採用。
単なるコストダウン用のカーボンではなく、形状・素材ともにRE8の設計思想を継承しています。
軽量性はもちろん、路面からの微振動をしなやかにいなすことで、アルミフレームでありながらも角の取れた快適な乗り味を実現。
ハンドリングも素直で、踏み込んだ際の反応も軽快。「自由なロード」に、ANCHORらしい走行性能の芯を与えている重要なパートです。
拡張性|“後から決められる”自由度
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前後40c相当(実測40mm)まで対応するタイヤクリアランスは、RE6の大きな特徴。純正32cから、より太いタイヤへ変更すれば河川敷や砂利道、キャンプライドにも対応可能です。
グラベルバイクほど尖ってはいない。でも、舗装路だけに縛られない。この“手前の自由度”がRE6らしいところ。
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さらに、フレーム各所に設けられたボルト台座により、フェンダーやキャリアの装着にも対応。

専用リアキャリア(¥7,800税込)や前後フェンダー(¥7,900税込)も同時展開されており、通勤・通学・ツーリング用途まで幅広くカバーできます。
RE8の思想を、より身近に
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RE8が「速さを楽しむエンデュランスロード」だとすれば、RE6はその思想を受け継ぎながら、より気軽に、より安心して始められる方向へ振ったアルミロード。
走行性能のベースがあるからこそ、RE6は“楽なだけのバイク”にはなっていません。
操作のしやすさと安定感を優先しながら、ロードバイクらしい気持ちよさもきちんと残す。それが、RE6というオールロードの設計思想です。
スペック|CUES 9sがいちばん「RE6らしい構成」
華やかさより、使い続けられる安心感

RE6 CUES 9sの基本スペックには、SHIMANO CUES(2×9speed)を採用。
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派手さよりも“使い続けられる安心感”を優先した構成で、通勤・通学の毎日使いから、週末のロングライドやツーリングまで相性が良い◎
RE6の思想を考えると、このCUESという選択はかなり合理的です。
摩耗パーツの耐久性アップで、ランニングコストも優秀

特に注目したいのは耐久性。チェーンやスプロケットといった摩耗するパーツは、従来のSHIMANO製品と比べ約3倍(※シマノ社公表値)の耐久性を実現したとされています。
毎日乗るユーザーや走行距離が伸びがちな方にとって、消耗品の交換頻度を抑えられる=長期的なランニングコストを下げられるのは素直に嬉しいポイント。
駆動系をCUESで統一した“素直な使いやすさ”

クランクもCUESで統一され、駆動系は一貫した設計思想。
変速は素直で扱いやすく、初めてのロードでも戸惑いにくいフィーリングに仕上がっています。
「頑張って覚える」より「自然に慣れていける」RE6の立ち位置に合ったスペックです。
メカニカルディスクは、堅実で現実的な選択

ブレーキには同じくSHIMANO製のメカニカルディスクブレーキ(BR-RS305)を採用。
油圧ほどの繊細さはありませんが、メンテナンス性と安定した制動力を両立した堅実な選択です。また、フラットマウント型を採用しているので、後々のアップグレードもしやすいのも嬉しい◎
雨の日や汚れやすい環境でも、日常使いとして“安心して使える”ことを優先した仕様と言えるでしょう。
ホイールまで、信頼性優先でまとまっている
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ホイールはSHIMANOハブを採用したアルミホイール。奇をてらわず、信頼性を優先した構成です。
タイヤはBRIDGESTONE製の日常に使いやすいLIBELQ 700×32Cを採用。
派手さはない。けれど、どこかが突出しているわけでもない。だからこそ、全体が破綻なくまとまっている。
日本の企業らしい、実直で堅実なパーツ構成。RE6という“長く付き合うロードバイク”にとって、非常にバランスの取れたスペックだと思います。
スペック表
| タイヤサイズ | 700×32c | |
| 変速数 | 2×9speed | |
| ペダル | 付属 | |
| スペック | フレーム | PROFORMAT, ALUMINIUM A6061, フラットマウント, OLD142×12mm, スレッドBB(JIS68mm), Rドロヨケ/ Rキャリヤ対応 |
| フォーク | PROFORMAT, CARBON, ベンドタイプ, フラットマウント, OLD100×12mm, テーパードコラム 1-1/8 to 1-1/4, Fドロヨケ対応 | |
| クランクセット | SHIMANO CUES FC-U6030 50-34T 390mm-430mm:165L / 470mm-510mm:170L | |
| BB | SHIMANO BB-RS501 68W | |
| Fメカ | SHIMANO CUES FD-U6030 SM-AD91(φ31.8 アダプター) | |
| Rメカ | SHIMANO CUES RD-U3020 | |
| シフター | 左:SHIMANO CUES ST-U3030-L, 右:SHIMANO CUES ST-U3030-9R | |
| スプロケット | SHIMANO CS-LG300-9 11-36T | |
| ブレーキレバー | 左:SHIMANO CUES ST-U3030-L, 右:SHIMANO CUES ST-U3030-9R | |
| ブレーキ | SHIMANO BR-RS305 メカニカル + SM-RT10 F:160mm / R:160mm | |
| タイヤ | BRIDGESTONE LIBELQ 700×32C | |
| ホイール | ANCHORハンドビルド(ハブ:SHIMANO F:HB-RS470 OLD100mm/R:FH-RS470 OLD142mm) | |
| ハンドル | ALUMINIUM HANDLE BAR φ31.8 390mm:380W / 430-470mm:400W / 510mm:420W ※芯幅 | |
| ステム | ANCHOR ALUMINIUM STEM φ31.8 390mm:80L / 430mm:90L / 470mm:100L / 510mm:110L | |
| ヘッドセット | ダイレクトインタイプ 上:1-1/8 下:1/2 | |
| サドル | COMFORT SHORT SADDLE | |
| シートポスト | ANCHOR ALUMINIUM SEATPOST φ27.2 390mm,430mm:300L / 470mm,510mm:350L | |
試走インプレッション|“速さ”の基準をどこに置くか
速いロードに慣れていると、最初は戸惑う

正直に言うと、普段から軽量なピュアロードに乗り慣れている人にとっては、最初の一踏みで強烈に「速い」と感じるタイプではありません。

前傾がきつくなく、挙動も穏やか。いわゆる“戦闘モード”のロードとは違います。 ただ、それはネガティブというより、このバイクの立ち位置そのもの。
RE6は、速さを競うロードではなく、自由度を優先したオールロードだからです。
重量バランスの良さは、さすがBRIDGESTONE

とはいえ、走り出してすぐに感じるのが前後重量バランスの良さ。どちらかに偏るような違和感がなく、ペダリングもハンドリングも自然。
「速い」というより「楽」。長く走っていて疲れにくい印象が強いです。 この“バランス感覚”は、いかにもBRIDGESTONEらしい部分。数字以上に、走行中のストレスの少なさが光ります。
オールロードでも、ちゃんと進む

同カテゴリーのオールロードと比較しても、踏んだときの推進感はしっかり残されています。
ピュアロードほど尖ってはいないものの、「ちゃんと前に出る」という感覚がある。オールロードだから速さを意識していない──というわけではなく、あくまで“自由をベースにした走行性能”。
ロードバイクである以上、やはり気持ちよく進んでくれるのは嬉しいポイントです。
重量についてのリアルな印象

試乗車(470mm)の実測重量は11.07kg(ペダルなしカタログ値10.9kg)。10kgを切るピュアロードと比較すれば、当然ながら軽量とは言えません。
RE8のイメージが「速いエンデュランスロード」として強く残っている方ほど、最初は“重さ”を感じるかもしれません。
ただ、40c対応のクリアランスや拡張性、安定志向の設計を含めたオールロードとして見れば、極端に重いという数値でもありません。重量だけで見ればロードバイクとしては重い部類です。

ただし、その重量は単純な設計の甘さではなく、積載やちょっとした悪路走行を想定したフレーム強度に由来する部分も大きい。キャリアやフェンダーの装着、太めのタイヤ運用まで視野に入れた設計である以上、ある程度の剛性と耐久性は必要になります。
加えて、日本企業らしく安全マージンをしっかり確保した設計思想も感じられます。海外ブランドと比べても基準は比較的厳しめに設定されている印象があり、その“頑丈さ”が結果として重量に反映されている部分は否定できません。
軽さを最優先したモデルではない。その代わり、長く使える安心感を取った。
RE6の重量は、そういう設計の結果だと思います。
けれど、走ってみると数字ほどの鈍さは感じにくい。ここがRE6の面白いところです。
まとめ|速さの外側にあるロードバイク
- 速さを足したのではなく、“自由”をベースに設計されたオールロード
- RE8と同思想を継承しつつ、より安心志向にチューニング
- 40c対応・キャリア装着可など高い拡張性
- CUES採用で高耐久・低ランニングコスト
- 軽量至上主義ではなく「長く使える安心感」を取った設計
RE6は“競わない”という選択肢

RE6は、数字で勝負するロードバイクではありません。10kgを切る軽さもなければ、レース直系の鋭さもない。けれど、その代わりに手に入るものがあります。
道を選ばない安心感。積載しても不安のない剛性感。寄り道できる自由度。
そして、踏めばちゃんと応えてくれるANCHORらしい走り。

ロードバイクという乗り物は、本来もっと自由でいいはず。速さを証明するためではなく、走る時間そのものを楽しむためにある。
RE6は、競技で磨かれた技術を“競わない世界”に開放した一台。現代版スポルティフとも言えるこのオールロードは、「速くなる」よりも「続けられる」ロードバイクです。
軽さを最優先する人には向かないかもしれない。でも、長く付き合えるロードを探しているなら、RE6は確実に選択肢に入るはずです。
























