グラベルロードバイクとは
「グラベルロード」「アドベンチャーロード」「オールロード」・・・etc各メーカーによって様々な呼び名となっている未成熟なサイクルスポーツにおけるカテゴリー
ドロップハンドルを基本採用しロードバイクの「如何に軽く、速く、遠くまで走れるか?」という明確な長所を持ちながら、クロスバイクやMTBの様に30~50mmなどの太いタイヤの装着が可能。
そして米国ブランドWTB社の発案する「650B×47C ロードプラス」規格を基本採用するモデルも多くある。
舗装路における軽快な走行性能はもちろん、林道や砂利道へのアプローチ、バイクパッキングやパニアバッグに荷物を積んでツーリングなど
ポピュラーなロードバイクに比べ、その一台でよりワイド且つリベラル(自由主義)な使い方が出来るという理由から注目度が上がっております。
「グラベルロード/GRAVELROAD」のグラベル/GRAVELとは砂利道の意。所謂「砂利道でも走れるロード」ということでしょう。
国土の狭い日本国内では中々にイメージし難い事ではあるのですが、アメリカなど海外では何十~何百キロ~と続く舗装されていない砂利道、ジープロードが続く道が多く存在し、アスファルト~砂利道を含めた”ツーリング文化”が我々より更に身近にある背景があります。
スポーツサイクル黎明期から始まるツーリングにおける今までの知識・経験に加え、剛性・軽量に伴う最先端のフレーム・パーツテクノロジーが落とし込まれた、ある種進化したツーリングカテゴリーといえましょうか。
個人的にはロードバイク、シクロクロス、MTB、クロスバイクと各ジャンルが更に細分化されつつある中、そのマルチな使い方を可能とする特性は、スポーツサイクルの楽しみ方をもう一度原点回帰させたかのようなジャンルのように思えます。
グラベルロードの規格/機能性から使い方
- 長距離とスピードに適したドロップハンドルを採用。
- 通常のロードレーサーよりもやや高めのハンドル位置でアップライトなポジショニングが可能。
- アスファルト走行における軽快性を確保しつつ、ロードバイクより太目のタイヤを採用し、舗装路だけに問わず林道など荒れた道へのアプローチも可能。
- キャンプライドやバイクパッキングツーリングにも便利。各所に多くのダボ穴を用意
- イールベースを広く、BBドロップを低くしたジオメトリーを採用し、車体がふらつき難い安定性、高速巡行性を併せ持ち、快適性高いフレーム設計。
- 雨天走行においても制動力が落ち難い、安定したストッピングパワーを持つディスクブレーキを採用。
シクロクロスとの違い
太目のタイヤの装着可能なロードバイクといえばシクロクロスが思い浮かびますが、より普段使いに適している理由を紐解くにおいて重要になってくるのがジオメトリー。
上記表は、装着タイヤ幅がほぼ同じのグラベルロード(RLT9)とシクロクロス(BSB9)の二種をラインナップする数少ないブランド、NINERBIKES(*2017モデル時)のもの。
- チェーンステー長⇒RLT9:435mm BSB9:425mm
- BBドロップ⇒RLT9:75mm BSB9:68mm
- ヘッド角⇒RLT9:71.0 BSB9:71.5
※53cmサイズ比較
シクロクロスよりグラベルロードのほうが、低重心な乗車を可能とし、減速しにくい長距離走行/安定性に優れた設計となっております。
現時点では、各メーカーによって装着可能なタイヤ幅や規格がまちまちでありますので、ドロップハンドルを採用している事とシクロクロスにも似たロードより太目のタイヤの装着が可能という事以外に、確実にコレという定義づけが出来ない実情がありますが・・・
◎低スピードからの加速性を重視したシクロクロス(あくまでもレースよりに作られた)よりも、巡行性、安定性、快適性といったツーリングに適した設計
にあるという事でしょう。また、そこにあくまでも新しいカテゴリーであるというエッセンスにおいて
◎ツーリングに寄り過ぎずあくまでもロードバイクの軽快性を併せ持っている
という事が現時点で伺えます。
グラベルロードの選び方
前述にもありますが、各メーカーによってグラベル=砂利/林道というキーワードを提案している各モデルにおける規格は実にバラバラであります。
あくまでもグラベル=砂利/林道をも走れる走破性を持つ事は共通として、よりロードに近い特性を持つものはグラベルロード、より荒れた道の走行を可能とするもの(40c~50c程以上のタイヤ装着可能)はアドベンチャーバイクなどと呼ばれる事もあります。
各モデルがもつ装着可能のタイヤ幅をチェック
●30c程までのタイヤクリアランスであれば、ロードバイクに近い加速性を持ち、殆どが舗装路/アスファルトを軽快に走行する事をメインとした使い方で、時にはよく慣れた林道/砂利道までアプローチ。
●45c程までのタイヤクリアランスであれば、ロードバイクの特性である低速からの加速性能はほどほどに、沢山の荷物を積載した長距離ツーリングや、山岳トレイルライドにもアプローチ出来る更にワイドな使い方。
個人的にはやはり海外でいうところのグラベルロードと、日本で思うところのグラベルロードでは解釈が若干違うように思います。
所謂日本でのグラベルライドと言えば石の小さい”砂利道”ではなくある程度大きな石も転がる”林道”がメイン。
そうなるとやはり40Cぐらいのタイヤ幅が装着できるもモデルのほうが日本国内においては使い勝手良いように思いますね。