昨年(2024年)にフルモデルチェンジをした第五世代「GIANT ESCAPE R3(エスケープR3)」と今年(2025年)の発売以来初のモデルチェンジとなった「GIOS MISTRAL(ミストラル)」を徹底比較しました!!!
どちらも、日本のクロスバイク業界を長年けん引してきた2車種がほぼ同時にモデルチェンジ!
Vブレーキタイプのクロスバイクが少なくなってきている昨今に、これからもクロスバイクの定番として頑張ってもらいたいモデルですね!!
かなり、余談になるのですが・・・モデルチェンジ前(旧作)の「ESCAPE R DISC LTD」と「MISTRAL DISC」の比較をYouTubeチャンネルで紹介してます。
旧作は興味がない・・・と言わずに前はこんな感じだったんだーって思っていただければ嬉しいです◎
モデル紹介
●2025.GIANT ESCAPE R3(ジャイアント/エスケープR3)
【メーカー希望価格】¥69,300(税込)
【カラー(全5色)】マットブラック、パールホワイト、メタリックブルー、ルビーマゼンタ、メタリックセージグリーン
【サイズ(適応身長目安)】XXS(140-160cm)、XS(155-170cm)、S(160-175cm)、M(170-185cm)
▶2025.GIANT ESCAPE R3 詳細記事はコチラ
●2025.GIOS MISTRAL SHIMANO(ジオス/ミストラル シマノ)
【メーカー希望価格】¥75,900(税込)
【カラー(全4色)】GIOS BLUE、MATT BLACK、WHITE、GRAY
【サイズ(適応身長目安)】40(150-160cm)、43(155-170cm)、48(165-180cm)、52 (175-185cm)
●2025.GIOS MISTRAL ALEX(ジオス/ミストラル アレックス)
【メーカー希望価格】¥68,200(税込)
【カラー(全4色)】GIOS BLUE、MATT BLACK、WHITE、GRAY
【サイズ(適応身長目安)】40(150-160cm)、43(155-170cm)、48(165-180cm)、52 (175-185cm)
フレーム設計と走行性能の違い
●ESCAPE R3
エスケープR3のフレームは、クロスバイクの王道とも言えるバランスの取れた設計を採用。街中用途からちょっと長い距離まで幅広く活躍してくれます◎
逆を言うと、吐出した性能があるわけではない為「街中用途にしか使わない」や「長距離のみしか使わない」といった様に幅広く使う予定が無いユーザーにとっては物足りないとも言えます。
●MISTRAL
ミストラルのフレームは、ストップ&ゴーに配慮したフレーム設計を採用。漕ぎ出しがスムーズになるように設計されている為、信号が多い街中と相性が良いと言えます◎
ネガティブな要素としては、重心位置が高い為、荷物が多い場面での安定性が欠ける事になりますね。また長距離のライドと言うのもESCAPE R3と比較して苦手な設計とも言えます。
【フレーム性能のまとめ】
- 街中オンリーならMISTRAL
- 日常生活から休日ポタリング等幅広く使いたいならESCAPE R3
パーツ構成とコスパについて
●ESCAPE R3
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基本スペックはShimano 3×8speedのポピュラーな仕様。
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しかしながら、変速機以外のパーツではシマノ社製パーツの採用率が低く、他ブランド同価格帯クロスバイクの中でもパーツ構成が良いとは言えませんね。
●MISTRAL
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ミストラルもエスケープR3同様に基本スペックはShimano 3×8speedを採用。
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ミストラルのパーツ構成は他ブランド同価格帯クロスバイクの中でもシマノ社製パーツ採用率が高い点に定評があります。
ホイールは、フルシマノホイールが良ければ「MISTRAL SHIMANO」、車軸のみシマノで良ければ「MISTRAL ALEX」と2パータンから選べるのも嬉しいポイント◎
【パーツ構成のまとめ】
走行性能では、大きな違いを感じにくいのですが、シマノ社製パーツが多い方がメンテナンスリスクを抑え、長く使っていく上での費用を削減できるのでお勧め。
パーツ構成のみであれば、ミストラルの方がコストパフォーマンスに優れたモデルと言えます。
車体重量の違いについて
●完成車重量
ESCAPE R3 |
MISTRAL SHIMANO |
- ESCAPE R3・・・11.47kg(Sサイズ 実測値)
- MISTRAL SHIMANO・・・11.65kg(520サイズ 実測値)
180g差でエスケープR3が軽いとなりますが、サイズ差もある為「ほぼ同じ」といった印象。とは言え、どちらも同価格帯クロスバイクの中では、ちょっと重い方という結果💦
リムブレーキと言われるブレーキタイプのモデルの重量は
・9kg未満・・・ロードバイク並み
・9kg台・・・軽量クロスバイク
・10kg台・・・平均的なクロスバイク
といった感じですね。
では、どの部分が重くなっているのか、カスタムで軽く出来るのか?を検証していきたいと思います!
●ホイール重量(タイヤ/チューブ/スプロケット込み)
ESCAPE R3 |
MISTRAL SHIMANO |
- ESCAPE R3・・・前 1.745kg、後 2.355kg(GIANTオリジナルホイール 実測値)
- MISTRAL SHIMANO・・・前 1.635kg、後 2.215kg(Shimano WH-R501 実測値)
タイヤ/チューブやスプロケットを取り付けたままでの計測となりますが、前後合計で250g差でミストラルの方が軽い事になります。
やはり、安価グレードとは言えシマノホイールが優秀と言えますね◎因みに「ミストラル アレックス」のホイールは、このシマノホイールより1グレード下になっており、重量はエスケープR3寄りになりますね。※ただしハブ(車軸)はシマノ社製採用により回転と耐久性はミストラル アレックスの方が良い。
●フレームセット重量(ホイール/タイヤ/チューブ/スプロケットを外した状態)
ESCAPE R3 |
MISTRAL |
- ESCAPE R3・・・7.370kg(Sサイズ 実測値)
- MISTRAL・・・7.815kg(520サイズ 実測値)
本来であれば、フレームセットのみで計測すべきところですが・・・かなり手間が掛かってしまう為、とりあえず前後ホイールを外した状態での計測です。
差は445gでエスケープR3が軽量。上述でもお伝えした通り、サイズ差があるのですが、それを差し引いても若干ながらエスケープR3の方が軽いと言えます。
ミストラルと比較して、エスケープR3の方がトップチューブやシートステーが細くなっており、見た感じで完成車重量が同じというのが不思議でしたが、納得の結果ですね!
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KhodaaBloom RAIL
余談ですが、クラス最軽量と言われているコーダーブルーム社のレイルを同条件で計測したろ頃6.450kg(400サイズ 実測値)でした・・・やはり軽いですね。
●フロントフォーク重量
ESCAPE R3 |
MISTRAL |
- ESCAPE R3・・・1.23kg(実測値)
- MISTRAL・・・1.35kg(実測値)
レイルシリーズのフレームが軽量と言うのは当然ではありますが、エスケープR3やミストラルが重い理由として上げられるのがスチール製のフォークを採用している点にあります。
レイルシリーズに採用しているアルミフォークの重量が800g~1000g程度となり、スチールフォークの方が重いと言えます。耐久性や振動吸収性はスチール製の方が良い為、一概にアルミフォークの方が優れていると言えませんが・・・
また、エスケープR3やミストラルをアルミフォークにすると軽量化できるとしても、フォークのカスタムはハードルが高いですね。
【重量のまとめ】
- 完成車重量はエスケープR3とミストラルの差はほぼ無い
- フレームのみであればエスケープR3が軽く、軽量化のカスタムはしやすい
試乗した感想と比較
上述でお伝えした内容と少し重複してしまいますが、エスケープR3はオールラウンダータイプ、ミストラルは街中日常使い特化型という印象。
どちらも同価格帯クロスバイクの中では、重めな完成車重量になりますが、それぞれフレーム設計やパイプ成型がしっかりとしている為、走行での重さは車体重量ほど感じないと思います。
振動吸収性からの身体への負担軽減を考えられたパイプ成型やスピードを維持しやすいフレームジオメトリーという点で、長時間のライドはエスケープR3の方が良さそう。
通勤や通学といった日々の生活では、ミストラルの方が相性が良さそう◎
こういった特徴を持っていますが、どちらも街中の日常使いにあわせ開発されたクロスバイクなので、使いやすさは変わらずといった感じですね!
まとめ
- 漕ぎ出しのスムーズさは「MISTRAL(ミストラル)」
- ある程度速度が乗ってからの巡行性能は「ESCAPE R3(エスケープR3)」
- 身体への負担が少ない(地面からの振動を吸収力)のは「ESCAPE R3(エスケープR3)」
- パーツ構成でグレードが上(長持ち)なのは「MISTRAL(ミストラル)」
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どちらもクロスバイク業界を長年けん引してきたモデル◎そして、どちらも最近(2024年~2025年)で大幅なモデルチェンジをしたモデルになっています!
Vブレーキモデルのクロスバイクが徐々に少なくなり、物価高騰で価格も高くなってしまう昨今に「手が届きやすく」「日本の街中に最適化させた」クロスバイクとしてオススメです!!
是非ご検討をお願いしまーす